日本の医療を取り巻く環境は厳しさを増し、医療に関わる人たちは、萎縮診療になっています。
今後もこの状況が続けば、医療を受ける患者さんたちが被害を受けることは明らかです。中でも産婦人科医療は、この傾向が顕著です。
医療の難しさは、十分な研鑽を積み、豊富な知識のある医療人と、そうでない人との区別がつきにくいことです。
専門家が見ても、簡単には区別できません。また手先の器用さも問題になります。
研鑽を積んだ人も、そうでない人も同じように評価され、結果が悪いと『ミスだ』と言われる状況は問題です。放っておけば悪い結果が出るのが目に見えているので、それをなんとかしようと努力するわけですから、当然一部は悪い結果に終わります。それを責めるのは酷です。
私たちは、産婦人科医療に携わる人たちが十分に研鑽を詰める場を提供し、優れた能力を持つ人たちが、その能力を十分に発揮できるような環境を作りたいのです。
産婦人科医師、助産師、看護師、その医療を受ける女性たちで、この日本産婦人科協会を作ることにしました。たくさんの方々の参加を願っています。
(注)萎縮診療:難しいことをすると失敗が多くなるので、簡単な医療だけをするという考え方